いや〜、夏ですね〜、暑いですね〜
というわけで、子供たちは夏休みなのです。
しかーし、夏休みをのんびり過ごせるのはサラリーマン家庭のお子さんたちだけです。
自営業や農家のお子さんは、そう、家業を手伝わされてテンテコマイなのです。
農家ですと、この炎天下でひたすら農作業に従事。
若いんだから熱中症なんかにならないだろ、とか、なんとかで、無理をさせられます。たとえ暑さにまいって、ぶッ倒れたところで、バケツの水を一杯ぶっかけられて放置です。あとは勝手に目を覚ませと。うむ。
とにかく口答えなんざ、できませんから。とにかく手伝えと。家業なんだからと。それでオマンマ食べてるんだからと。
働くって、生きていくって、タイヘン。子供ながらにして、そう思うのですよ。
でも、つらいことばかりではありません。
そうです、親だって鬼ではありませんから、がんばってお手伝いしてくれたら、ちゃーんと、ご褒美が用意されてますから。
ご褒美、それは、村に年に1度やってくるサーカスにつれてってもらうことです。
子供たちはそれを楽しみに、それを心の支えに、それを励みに、つらい炎天下の農作業をこなすのでした。めでたし、めでたし。

はなしがすっかり脱線してしまいましたが、なにがいいたかったのかといいますと。
ようするに、夏休みは、お手伝い、なのだと。
サラリーマン家庭の星空さんは、時間をもてあましていましたけれども。
お好み焼き屋さんの娘である日野さんは、海の家で家業の手伝いをしてました。
この違い、わかりますか?
そうです、サラリーマンは毎月お給料がもらえますが、自営業者はさいあく赤字のときもありますから。
なので自営業者は稼げる時はとことん稼ぐという気構えなのです。
とうぜん家族がかりだされます。家族の人件費はタダですからね。これをつかわないテはありませんから。
しかも学校が休みとなれば、子供に断る理由なんてありません。
そういうわけで、日野さんは、海の家で、お好み焼きをせっせと焼いて、じゃんじゃん売っているのです。

しかし、まあ、なんだね。日野さんはエライよ。
商売好きみたいだね日野さん。
こういう娘を嫁にすると、なかなか良いですね。
やっぱね、自営業というのは、お嫁さんが働き者でしっかりしてるかでキマるんだとおもうから。
いい、じつに、いいよ、日野さん。嫁にしたい。

あと、やっぱ露出の多い水着で、お好み焼きを焼いてると、売上げ伸びるとおもうけどな。
そこらへんにまで頭がまわらない日野さんは、まだまだだね。
もうけるためには何でもやる、水着にでもなんにでもなる、そのくらいの心意気が欲しかった。
お好み焼き10枚まとめて買ってくれたら、ポロリのサービスとか。それくらいやればよかったのにね。いいじゃん、減るもんじゃあるまいし。