春野さんは、夢をふみにじられる痛みがわかるから、夢を閉じこめられゼツボーグを生みだした藍原くんの心の痛みもわかるんだと。
なるほど、ただし、そもそも春野さんの夢をふみにじったのは誰あろう藍原くんその人なのだということは気にしないのか、ねぇ、春野さん。
と、とりあえず口は悪いが藍原くんのテニスにかける気持ち、努力、夢は理解できたから、その夢は守りたいんだと、そういうことなのかな春野さん、うむ、いい子だな。

ひるがえって、藍原くん、まったくの初心者だった春野さんがいざ試合になるとそこそこできるようになってて驚きつつも、喜んでいた。
じっさい春野さんはミス・シャムールの謎空間にて猛特訓してましたし、夢ってやっぱあこがれてるだけじゃダメで、夢に向かって努力するってゆーのが、大事なんだよねー、大事なんだよねー。
春野さんの努力を認めた藍原くんは、じっさい花のプリンセスとおぼしき女性を目にしてしまったこともあいまって、春野さんがプリンセスに、ってのも、なくはないかなと思うように。
とはいえ、では具体的にプリンセスとは、なんぞや?、ってことになると、いまだそれは不明というか曖昧で、おそらく、みめうるわしく、けだかい女性のこと一般のことのようだけど、よくはわからないというのが正直なところ。
おそらく藍原くんもその春野さんが言うところのプリンセスとやらの定義がよくわからなかったからこそ、そんなわけのわからんものにあこがれる春野さんのことをバカにしてたんじゃないのかと。
とはいえ、藍原くんは、とにかく今回の春野さんの努力と成果を評価して、とりあえず春野さんは努力できる人だということだけは認めたようで、かんじんのプリンセスのなんたるかは分からないし知りたくもないけど、とにかく春野さんは夢に向かって努力できる自分と同じ側の人間だと感じて受け入れることにしたのかもしれません。

夢に向かって努力してる人はかがやいてる、だから応援したくなる、そしてそれがまた自分自身のはげみにもつながるんだ、みたいな内容だったのかな、今回のお話は。