なんでもかんでも友情さえあれば乗り切れる、そういう考えは、あやうい。
それは、友情という信頼関係とて絶対的なモノではなく、ときに非情な裏切りもあるということなのだろう。
氷川さんも信じていた誰かに裏切られた経験があるのかもしれない。
だから友情、友情と浮かれてる、めぐみとヒメルダを危なっかしく感じたのかと。

氷川さんいわく、未来の可能性はひとつじゃない、と。
そして、めぐみとヒメルダの未来は、あまたある可能性の中で、今いちばん最悪に導かれそうだとも。
これは、おそらく、いまのままでは最悪の未来になってしまうから、心構えを改めよ、という忠告だったのかも。
つまり友情のなんたるかについて、もう一度よく考えてみてくれというメッセージだったと。
にもかかわらず、めぐみとヒメルダは自分たちに都合の悪い占い結果は無視しようと結論づける。
うまくいってるときは他人の忠告なんて耳に入らないのでしょう。

いつもどおりに友情パワー全開で、プリキュアとして戦うラブリーとプリンセス。
だがしかし今回は、落とし穴があった。
サイアークが2体いて、不意打ちをくらってしまう。
絶体絶命のピンチ。
最悪の未来という占いが、はやくも現実のモノになりそうに…
と、そのときキュアフォーチュンがあらわれて、なんとかかんとか、ことなきをえた。
キュアフォーチュンはキュアラブリーに「キュアプリンセスを信じてはいけない。さもなければ災難が…」と忠告する。

めぐみにふりかかるであろう災難とは、おそらく、病弱な母になにか事件が起きるってことかな。なんとなく。
キュアプリンセスにもなにか秘密がありそうな雰囲気だった。
キュアフォーチュンがキュアプリンセスを疫病神あつかいするのも、たんなる言いがかりではないような感じだし。
いろいろ謎ですね。

ものごとは、ひとりでなんでもかかえこんでしまうよりも、複数人でたちむかったほうがウマクいく場合も多いのでしょう。
しかしそこに信頼関係がなければ、協力しようという気持ちが生まれず、的確な役割分担も決まらず、たくさん人が集まったところで烏合の衆になってしまい、ウマクいかないのかも。
めぐみとヒメルダの信頼関係が友情で、その友情のおかげでプリキュアの合体技が使えるようにもなった。
また、友情という信頼関係があるからこそ、どちらかが少しキケンをおかしてでも敵をひきつけておいて、味方の攻撃を支援することもできたりするのでしょう。
そんなぐあいに信頼関係がウマク回ってるうちは、たしかに友情パワーは最強なのかもしれません。

ところが信頼は、ときとして裏切られてしまうことがあります。
信じていたのに裏切られたら、精神的ダメージは大きいですよね。
そしてその信頼が大きければ大きいほど、裏切られたときのショックもまた大きい。

けれども相手に裏切るつもりがなかったのに、結果的に相手に裏切られてしまった、という場合もあるのかなと。
つまり、こちら側が相手に期待しすぎて、でも相手は諸事情でそれに応えられなかったというようなケース。
もしかしたらキュアフォーチュンのキュアプリンセスに対する感情が、それなのかもと。

友情に限らず、信頼関係って難しいですよね。
どこまで相手を信じていいのか、どこまで相手にもとめていいのか、そこらへんのあんばいが、難しい。
とくに親しくなればなるほど、ついつい相手に甘えてしまうこともあるでしょうしね。
でも、どちらかが相手の気持ちを負担に感じるようでは、それは信頼関係とはいえないでしょう。
たがいに相手への理解を深めなければ、信頼関係も深まらないのでしょう。
相手への理解不足からくる、気持ちのすれちがいというのはまま無意識のうちにあるとおもう。
友達なんだからこのくらいはやってくれるだろうとこちらが期待しても、いや友達でもそこまではできないと相手は思うかもしれないし。
そうやってギクシャクすることもあるのかもしれない。
そうしてそのまま友達関係が終ってしまうなんてことも、あるのかもしれない。
あるいは終わらせないで、どちらかが、あるいは双方が、なんとか誤解をとく努力をするかもしれない。
そのばあい大事なのは、とにかく誠意を見せることかもしれない。
これからも互いに対等な信頼関係をつくっていきたいという率直な気持ちが伝われば、よい方向にむかっていくような気がするんだ。
というか、それがなければゼッタイうまくいかないと思う。