成田先生は、まこぴーをつうじて、自分自身のことを伝えたかった。なんのために脚本を書くのかと成田先生にも悩んでいた時期があって。まこぴーの「なんのために歌うのか?」という自問が、成田先生では「なんのためにお話を書くのか?」で。その答えが、まこぴーは歌いたいから歌う、成田先生はお話を書きたいから書く、といったかんじに。

「歌なんか歌って、なんになるの?なーんの役にも立たないのに」という問いかけに、まこぴーは「役に立たないかもしれない、無意味かもしれない」ととりあえず答えるのだが、そのあとで「でも楽しかった、うれしかった。私は歌うことが好きだから、だから歌ってきたの」とも。

成田先生も、お話を書いてなんになるんだろう、なんの役にも立たないのでは、と悩んだことがあるのでは、とくに大震災直後なんかには。でも書くことが楽しくて、うれしくて、好きだから書いてきたのだからと、悩むのをやめて自分を信じることにしたのではないのかな。「こんな私を応援してくれる人がいる。だからその人たちのために、自分のために、私は書く!」と。まこぴーが歌うプリキュアなら、成田先生は書くプリキュアなんだ。

お話を書くことをひたむきに愛し、自分の力量を信じて愛し、成田先生はプリキュアで世界に愛を与えたいんだ。まこぴーが最後に「私は歌うことが大好きです。歌っていると楽しくてうれしくて幸せな気持ちになります。そんな気持ちをみんなにも感じてもらいたい。だから歌います!」と言ったのは、ハイ、もうおわかりですね。「私は書くことが大好きです。書いていると楽しくてうれしくて幸せな気持ちになります。そんな気持ちをみんなにも感じてもらいたい。だから書きます!」という成田先生からのメッセージでもあったのですよ。たぶん