論理で用いる「必要条件」という単語を比喩で用いるというのは、どういうことなのだろうかと、ずっと疑問に思っていたのですが。最近やっと理解できました。

どうやら、たとえば「博士課程で自分を磨くことは世界に通用する人材の必要条件」という表現なら「博士課程で自分を磨くことは世界に通用する人材になるためには最適です」ぐらいの意味なのかと。ここで「博士課程で自分を磨くことは世界に通用する人材の必要条件」を必要条件ほんらいの意味で解釈すると「世界に通用する人材はかならず博士課程で自分を磨く」となってしまい、すなわち「博士課程で自分を磨かないと世界に通用する人材ではない」になってしまいます。これは誤りでしょう。大学院どころか大学すら出てなくても世界に通用する人材はいるのだろうから。

もしかしたら私だけなのかも知れませんが、「必要条件」という単語が出てくるとついつい額面通りに受け取ってしまって、それが比喩だとはつゆほども思わずクソマジメに論理展開を検証してしまう。私のような人のことを比喩表現で「石頭」というのでしょうかね。もうすこし融通がきくようになりたいものだと反省してます。