なんかね、クラスの連中が「黄瀬、足オセーよな、つかえねー、女子リレーだめっぽ〜」みたいにカゲグチたたいていたのに、ほんばんでは応援してくれたのがヨカッタですね。ほんとうはいい人たちなんだ、ただ極度のツンデレってだけでさ。黄瀬さんの、とにかくせいいっぱい走って、緑川さんにバトンをつなごうという想いとクラスのみなさんの応援に触発され、緑川さんは、黄瀬さんの遅れをとりもどすべくいつも以上の駿足で、リレーのアンカーとして100メートルを9秒台の速さでかけぬけるも、さいごのさいごに少しばかり足がもつれてしまい、あえなく転倒してしまった。ああ、あの場面、転倒するとみせかけて、なんとか踏ん張って1位でゴールするのかと思いましたが。さにあらず、さにあらず。勝負には負けた。

うーむ、なぜだかイマイチな感じがしたのは、なぜだろう。わからん、わからん。優勝できなかったけれどもクラスの連中が興奮していたのは、おそらく、黄瀬さんが足の遅いは遅いなりに一所懸命だったのと、さいごコケたけれども緑川さんが途中ゴボウヌキを見せてくれたのと、その2点に感動したからなのだろうことは容易に察しがつくのだがな。でも私は感動しなかった、できなかった。おそらくそれは黄瀬さん、緑川さん、そのどちらにも感情移入できなかったからなのだろう。では、なぜ感情移入できなかったのかと問われると、答えに窮してしまうのだが。とにかく、みんなは感動していた、私は感動できなかった。ゴプリキュアの連中は、みんな泣いていた。みんなの涙が、その場を盛り上げていて、その光景が不自然に当事者たちだけの盛り上がりを維持したまま、視聴者の私ひとりだけがおいてけぼりにされていた。名状しがたい不快な余韻をひきずったまま今回のお話は終了したんだ。なんだろうこのモヤモヤ感は。