ピエーロメーターは残りあと12、デコルは15。バッドエナジーは最短で第43話で満タン、デコルは毎回1個ずつなら最短で第46話でコンプリート。おそらくピエーロ様の復活のほうが早いのではないでしょうか。デコルが集まらないのにピエーロ様が復活したら、プリキュアはピンチです。なにか対策が必要です。

ミラクルジュエルが鍵になるでしょう。でも、どこにあるのでしょうか。じつはキャンディの心臓がミラクルジュエルで、そのパワーはキャンディがプリキュアたちとの友情を深めることでアップするのです、と、このごにおよんで女王様が教えてくれる。ところが、ミラクルジュエルを使うためにはキャンディの胸を切り裂いて取り出さないといけないのです。とうぜんキャンディは…。

デコルが16個集まってないので、ミラクルジュエルを使わないとメルヘンランドは滅びてしまう。けれどもミラクルジュエルを使うにはキャンディの命を犠牲にしなければなりません。プリキュアたちは悩む。さしせまった危機のためとはいえ、どうしたものか。女王様はキャンディの体内からミラクルジュエルをとりだせと命令する。いちおうキャンディがみまかったあとは2階級特進と爵位の授与、そして栄誉あるメルヘンランド大勲章で処遇されることになっているそうです。キャンディはキャンディで、はじめは死の恐怖を口にするものの、自身の決断が一族郎党の生活の安定にもつながるからと、そしてなによりも自分ひとりが犠牲になりさえすればみんなの命を救えるからと、さいごは覚悟をきめる。あとはプリキュアたちの判断を待つのみ。

プリキュアたちのなかで意見が割れる。ここは全体の利益を優先して心を鬼にしてミラクルジュエルをとりだせと直球勝負な主張をする者、いや大切な友達を犠牲にしてまで生き延びたいなんて思わないとアザトク泣き出す者、はたまた口ごもったままうつむいてそのあとはしんしんと降り積もる雪のように沈黙をきめこむ者、かとおもえばミラクルジュエルなんかなくても熱血パワーさえあれば負けへんでなどとほざく者、などなど。プリキュアたちがもめている間にもバッドエンド王国は攻撃の手を緩めない。もはや一刻の猶予もない。そこで最終決断はキュアハッピーに一任することで衆議一決した。

キュアハッピーは迷う。いちどはキャンディの胸の上に短刀を、しかしその瞬間、出会いから今日までの思い出が走馬灯のようにかけめぐった。手が震える、目には涙がいまにもこぼれそうになる。「で、できないよ、キャンディ…」、あとは言葉にならなかった。そのときキャンディが諭す、「みゆき、今日までありがとう、たのしかったクル。さいごのおねがいクル、よくねらって、一刺しで、やってほしいクル、、、痛いのは一瞬だけにして欲しいクル。」と悲しい笑顔で。

一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし

キャンディの悲壮な覚悟を感じとったキュアハッピーは、「キャンディはこんなに強いのに…、あたしも強くならなきゃダメじゃない」と心のなかで自分に言い聞かせた。すると右手の震えはピタリと止まり、短刀はキャンディの急所をシッカリとねらっていた。ふとキャンディの顔を見ると穏やかに両目をつぶり、すべてをキュアハッピーに任せているようだった。それを確認してからキュアハッピーは、軽くうなずき、すぐさま右手をふりかざし、ひと呼吸おいてから、裂帛の気合いとともにブスリと。

とりだしたミラクルジュエルは真紅に輝いていた。それはまるでキャンディの生命を表現しているかのようだった。でも泣いている暇はない。すばやくそれをロイヤルクロックにセットする。すると、どうだろう。ロイヤルクロックがバズーカ砲にフォームチェンジした。その名もロイヤルバズーカ。もう説明はいらないだろう。いっきにプリキュアアルティメットバーストをピエーロ様にぶちかます。すさまじい威力だ。電光石火の一撃がピエーロ様を、いや、ほかのバッドエンドの連中もすべて含めて、あとかたもなく消し去った。プリキュアの勝利だ。しかし、悲しみの涙が止まらないキュアハッピーでした。

おしまい。。。