こんかいは海藤みなみ嬢のマトメ回(前編)のようです。
とある大企業集団の御令嬢にも悩みはあるという、お話です。ある意味、ぜいたくな話だな…(ぉぃ

世界的な大企業グループのひとつである、海藤コンツェルンの令嬢として生を受け、幼少より帝王学をたたきこまれ、将来が約束されている、それが海藤みなみ嬢。
前回のきらら嬢がどんな困難にも負けず自分で道を切り開いて夢をゲットしていこうと励むのに対して、今回のみなみ嬢はいかにして敷かれたレールからはずれて夢をかなえていけるかがテーマになってるようです。(・∀・)

みなみは悩む。
北風博士と出会ってしまったことで、芽生えてしまった夢。
その夢に不穏で剣呑なものを直感してか、いちどは摘みとったのだが。
けれども、なんど摘みとっても、しばらくすると再び芽生えてくる、その夢。
どんなに気持ちを押さえつけてようとしても、眠って意識が無防備になると、心の奥底に沈めていた本心が無意識のうち浮かびあがってきて、目が覚めると心が掻き乱される。

みなみは思う。
いままでずっと、将来は海藤グループの経営に参画するつもりだったけど。
それがずっと私の夢だったけれど。
それって本当に私の夢だったのだろうかと。
「私の夢」って、本当は私が自発的に描いたものではなくて。
そうではなく両親や兄によって誘導されたものというか。
まだカラッポだった幼い頃の私の夢の器に、しらずしらずのうちにそれを「私の夢」として植えつけられたというか。
そうおもわされて育てられてきたのではと。
でも、そうだとしても、それが家族の期待で、海藤家に生まれた者のさだめで使命だというならば従うのも道理というか。
家族の期待を裏切ってまで本当の自分の夢を追いかけてよいものかと。

みなみの痛み。
まるで心にトゲが差さったよう。
ほんらいならば、いとおしく、ことほぐべき、心にめぶいた夢の萌芽が、いまはただの異物で、違和感でさいなむだけなのだ。
夢をみるのが、どうしてこんなに苦しいのだろう。
いままでは家族の期待にこたえることが夢であり、喜びとし、迷わずに邁進していた。
なのに今は…
家族の期待と自分の夢が一致していたときは幸せだった。

みなみの決心。
迷っていては、夢のチカラも弱まるばかりだから。
なにをやっても中途半端になるだけ。
だから迷うのをやめた。
もう迷わない。

♪ ♪ ♪

北風博士と出会ってしまったことで生まれてしまった夢。
では、北風博士と出会わなければ生まれてこなかったのかといえば、否、そうでもないでしょう。おそかれ、はやかれ。
夢は、みなみさんの本当の夢は、もう、とっくに芽生えていて、静かにはぐくまれていて、かすかな胎動を感じていたはず。
みなみさんの海への漠然とした憧れは、すでにキュアマーメイドとして権化されていたわけで、それすなわち、みなみさんの本当の夢というわけでした。
つまり北風博士との出会いは、みなみさんが彼女の本当の夢を生みだすための最後のキッカケだったというわけでした。たぶん。