なかなか良い展開でした。

夢をなくした春野さん、変身をこころみようとドレスアップキーをプリンセスパフュームにさして回してみるも、まったく反応してくれない。プリンセスパフュームは夢をエナジーとするエンジンだから、夢をなくした春野さんが変身できないのは、しごく当然の理(ことわり)なわけなのです、はい。

夢がなければ変身できない。では、どうやって夢をとりもどし、変身できるようになったのか。それが今回のお話でした。

春野さんが自身の夢をとりもどしていく過程をみていくと、やはり自分ひとりで自分の心の中で過去を内省するというか、自分の夢とはそもそもなんだったのか?をもういちど夢をはじまりからなぞって見ていくしかないということなのかと。そもそも夢とはもっとこう具体的なもののはずだったのに、いつのまにか「夢、夢、夢…」と心にきざみつけていくうちに抽象的な記号にされていってたのかな。それで、なぜプリンセスになりたいのか、なりたかったのか、それが分からなくなっていた。それを思い出すべく、そのはじまりをひもといていくと、それはプリンセスは「キラキラかわいいから…」とホントそれだけのささいな理由からだったという。だが子供の頃の夢なんてホントしょせんそんなものなんだろうなと。それはいいとして、では、そこからその夢へのおもいを続けられ育てていけるのか、どうやらそこが大切なようだ。そして、夢のはじまりというか、はじめに夢のコアみたいなものがなければ、なにごともはじまらないみたいな印象もうけた。夢が向上心をうながし、さらなる高みへとめざしていける、そうしてまた夢は大きくなるの好循環。はじめは小さな夢の核が、しだいに転がる雪ダルマのように大きく成長していく成長していけるのだと。また自分が夢をもとめて上をめざして行動していけば、しぜんと同じような境遇、夢を、上をめざしている人たちとも出会え、たがいに良い意味で刺激しあえるし、たとえその人たちと目指す方向がちがって別れのときがきたとしてもそれは決して今生の別れではなく、たがいに夢をもちつづけ精進していればそのうちその夢どうしがひきあうというか夢が夢に導かれてまたどこかでゆくりなく再会できる日もくるだろうということもあるかもしれない。そういう意味でも夢は孤独ではなく、可能性なのかもしれない。カナタ王子の記憶が戻ったのも偶然ではなく、春野さんの夢が導いたわけですし。

で、けっきょく春野さんが、自分の夢とはなにか?を自問したところで、その答えは夢を追いつづけてるキラキラ輝く可愛い自分自身というわけでした、たぶん。きわめるところプリンセスになるというのもすなわち今の自分の夢をもっともっと大きくしようと努力している自分自身の姿そのものであって、すなわち、ここでプリンセスとはなにか?何者か?という答えが明示されてたようで、そう、つまり、「私がプリンセスよ!」みたいな「俺がガンダムだ!」的な解答が得られたというオチのようだった。よくわからないが、自分でも何を言ってるのかよくわからないが、とにかくカナタ王子の「夢は君の全部なんだね」発言からもそのことがうかがわれるのかな〜と。

畢竟、春野さんが夢を否定することは自分自身の存在を否定することに等しいということでした。だから、だからこそ、春野さんは誰に否定されようとも、また絶望しようともそのつど何度でも立ちあがらねばと、自分が自分であるために夢を持ちつづける、持ちつづけねばと悟ったのでした。