父よ、母よ、妹よ…
家族とは、なんぞや?

春野妹が春野姉をおもう気持ち。
妹はあいかわらず姉のことが好きだったのだけれども、今回、春野妹、ひさしぶりに目にした姉の姿に、とまどう。
学園生活も充実し、 楽しげにふるまう姉の姿に、とまどう。
姉の生活が順調なのは、正直うれしい、けれども…と。
姉は変わってしまったのではないだろうか、もはや妹の私の存在なんて姉にとってはとるにたらない小さなものになってしまったのではないか、と春野妹は不安をいだく。
そんな妹は、せつなくなり、気持ちがたゆたう。
それで妹は、自分の気持ちを言葉でも態度でもうまく表現できず、そんな自分自身に少しいらだっていたのか、ひさしぶりに会った姉に対して愛嬌をふりまくことすらできず、かといってそれが本心というわけでもなく、とにかく、ついつい悪態をついてしまい、誤解されてしまうことに。
春野妹は、姉との、現実の生活の距離がはなれてしまったことで、心の距離もはなれてしまったのではないかと、そんな不安があって、さみしかったようですが、姉にはそんな妹の繊細な本心をおもんばかることもできなくて、妹の機嫌をとろうとして表面的に、はしゃげばはしゃぐほどに妹の機嫌は悪くなるのでした。
ここはダメなお姉ちゃんでした、春野姉。

さて今回、春野姉妹の仲をとりもつために、はからずも海藤さんと天ノ川さんとが、それぞれに春野姉と春野妹をうまいこと導いてくれて、存在感を示してくれてたのが、なかなか良かったです。

春野妹の消極的な気持ちを察してか、そうじゃないんだと、天ノ川さんが、自分もお母さんとはなかなか会えない生活なのだけれどもと自身の体験を語りつつ、春野妹を諭していたのが良かった。
いつもいっしょでベタベタと甘える関係だけが家族ではないのだよと。
むしろ、家族といえども、一人ひとりは個人なわけで、束縛なんてできないはず。
個人にはそれぞれ夢や希望があるわけで、その夢や希望をかなえるために、それぞれがそれぞれに頑張っているはずなんだ。
それでは、家族の役割とは、いったい、なんなんだろうか?
それは、その答えは人それぞれでイロイロあるとはおもうのだけれども、今回のテーマにそえば「さりげなく応援してあげること」なんでしょうかね。

春野姉としても、妹の気持ちが理解できずに悩み、しかし海藤さんの体験談をふまえた助言からヒントを得て、答えへと、妹の本当の気持ちへと、たどりついていき、そうすることで自然と実際に妹のいる場所にたどりついたという展開になったのは良かった。
おそらく姉は自問自答したのではないか?「はたして私は、妹が私を思ってくれていたほどに、妹のことを思ってあげていたのだろうか?」と、そして「否。」と。
姉は妹に対する自身のいたらなさを恥じた。
それから、自分の夢は自分ひとりだけのチカラでなく、家族の愛にも知らず知らずのうちに支えてもらっていたのだとあらためて気付き感謝するようになる話のながれは良かった。
そうした心の成長がプリキュアとしての強さにもつながったようで、これは良い展開。

はなれて暮らしていると、さみしいときもあるけれど、それでも、はなれて暮らしているからこそ、いつもいっしょだったころよりも家族の地味なありがたみが理解できるということもあるのでしょうか。
さいごは春野さんが家族への思いを強くし、ひいては春野一家の絆が深まったという、そんなお話でした。
離れて暮らしていても、愛情は薄まらない、それが本当の家族なんだよと、そんな優しさと信頼が伝わってきた今回のお話でした。