キングジコチューとの最終決戦、わりとよかったです。
わりと素直な展開で、安心して見ていられたのが好感でした。

巨大ランスちゃんが登場したり、シリアスな展開の中にもギャグっぽいものを入れてきたりして、脚本家の先生もあまり深刻な雰囲気を出しすぎないようにと配慮されていたのかなと。とはいえ、キュアダイヤモンドが敵の動きを封じるため、捨て身になって、みずからを敵と一緒に氷漬けにしてしまったりと、きちんとキュアダイヤモンドさんらしい行動なんかも描かれていたのが良かったです。

プリキュアたちは協力して進んでいくのだけれども、さいごトランプ王国の王様を救いだすところは、王様の娘である、レジーナ、アイちゃん、キュアエース、の3人にまかせたところが、親子の絆というか愛を強調していたのでよかった。

ドキドキプリキュアの「ドキドキ」は「愛の鼓動」で、そのドキドキを信じることで道がきりひらかれる、みたいなのがこの1年のテーマだったのかな。自己愛が愛なのか、自己犠牲が愛なのか、そういうことではなくて、そんな難しく考えなくていいよ、とにかく、ドキドキする気持ちに愛の鼓動に素直に導かれて行動しようよ、みたいな、そんな相田マナさん的な思考を大切にすれば、おのずと前へ進めるよ、みたいな感じだったのかな。

キュアハートさんが、親が子を助けたいと思うのは当たり前で、自己中でもなんでもないよ、ごく普通のことだよ、と断言できるのも、結局それぞれの親はそれぞれの子を愛してるわけで、それをだれかひとりがぜんぶ引き受けなければならないというものでもない、ということなんだろう。もちろん国王は全国民の手本となるべき父親的な存在であるべきというのはタテマエとしては、そのとおりなのだろうけれども。トランプ王国の国王とて、一国の国王であるまえに、ひとりの人間として、ひとりの親として、純粋に自分の自分だけの娘を愛していたいというのも正直な気持ちなのだろうから、それを自己中だと断罪するのはあまりにも残酷だというのがキュアハートさんの主張だったのだと理解した。

もちろん封建社会において上流階級はその特権を享受すると同時に国民を守る義務が課せられているのだろうけれども。それとて無制限というわけではなく、基本的に自分の身は自分でというのが原則だとおもう。トランプ王国がほろんだのも、たしかに国王がエターナルゴールデンクラウンの封印をといたのが直接のキッカケだけれども、けれども最終的にトランプ王国をほろぼしたのはほかならぬ国民たちの自己中な気持ちにもとづく行動だったわけで、一方こちらの世界がふみとどまったのは、結局、トランプ王国の人々との心掛けというか心構えの違いでした。それが封建国家と民主国家の違いによるものなのか、はたまた相田さんたちプリキュアの日々の活動による成果なのかは判断できませんが。

で、次回が最終回なのですが、なんかもう、いらなくないか?といった感じがするのは私だけだろうか。たしかに今回で終わってしまったら、ベールさんのその後は?みたいなツッコミもでてくるでしょう。イーラくんは六花さんとは不器用ながらも分かりあえてた感じでしたし、マーモさんはあまり気にならない、でもベールさんだけはキングジコチューの後釜をねらってるフシがずっとあったわけで、それについて言及しないとどうにも消化不良感があるなといった配慮でしょうか。とりあえず最終回を見守るしかないのですが、さて、Aパートであっさり倒されちゃってBパートでエピローグをやるのか、それとも1話じっくりかけてベールさんとの戦いが描かれるのか、どうなることやら。ここいらへんがドキドキプリキュアの不安定感を最後までひきずってる感じもするねぇ〜