キュアエースこと亜久里ちゃんは、おばあさまこと茉莉さんに正体がバレてしまい困惑する。ところが、とうの茉莉さんはそんなことは、はなっから分かっていたというオチで。知っているのに知らないフリをするというのも優しさのカタチだったようです。いっぽうの亜久里ちゃんも茉莉さんに心配かけまいと気をつかう日々だったのだけれども、それも優しさからで。茉莉さんと亜久里ちゃん、おたがいのその優しさで円家の生活はうまくまわっていたのでした。

しかし今回、とつじょとして家族ふたりの愛情の歯車が狂いそうになってしまった。いや、むしろ茉莉さんのほうは、いつかこんな日がくるんじゃないのかなと予想していたのかもしれない。かたや亜久里ちゃんはずっとずっと未来永劫じぶんの秘密は隠しとおせると信じていたのではないだろうか。でもそれはなんの根拠もない、ただの幻想でした。おちこむ亜久里ちゃんに茉莉さんは凛とした態度でのぞむのでしたが、亜久里ちゃんはたえきれず逃げ出してしまった。

茉莉さんとしては、ある日とつぜん空から降ってきた女の子に、困惑しつつも、これもなにかのめぐりあわせ、ひとり暮らしのさみしさをまぎらわせてくれる神様からのさずかり物だと感じたのかもしれない。と同時に、時期がくれば手放さなくてはならない預かり物であることも、なんとなく悟っていたのでしょう。だからこそ茉莉さんは何があっても亜久里ちゃんの味方でいよう、味方でいたい、守りたいと、願っていたようだった。なのに亜久里ちゃんは茉莉さんの真意をはかりあぐね、自分一人で自分勝手に悩み苦しみ空回りしていた。

けっきょく一晩考える時間があたえられたことで自分自身をみつめなおすことができた亜久里ちゃん。そして、なにも迷うことも引け目に感じることもないということに気がつくのでした。そうですよね、べつに亜久里ちゃんは何も悪いことをしていないわけで。記憶があいまいなのも、それが原因で自分の存在がなんなのかわからないことも、そして今現在の自分がキュアエースであるという事実も、みんな運命なわけで。いま亜久里ちゃんがなすべきことは運命をうけいれ、そのうえでいま自分がどうしたいのか、どうあるべきなのかを考えることだったのです。その答えが、いままでどおり茉莉さんと一緒に仲良く暮らしたい、ということでした。そしてそれは茉莉さんの願いでもあるのでした。

血のつながりよりも、心のつながり。茉莉さんと亜久里ちゃんの絆は強い。茉莉さんが言いました、絵にこめられた愛情は、たとえその絵が色あせてしまっても、いろあせることはないのだと。それは、たとえ亜久里ちゃんにどんな過去があろうとも、そして今現在どうであろうとも、亜久里ちゃんが亜久里ちゃんであるかぎり、亜久里ちゃんをおもう気持ちはかわりませんよと。そんな茉莉さんからのメッセージだったのでしょうね。