のんきな夏祭り回とみせかけて、じつはキュアエースのパワーアップ回でした。季節ネタはやらないのがドキドキプリキュアのポリシーだと小耳にはさんでいたので、あからさまに射的やら金魚すくいやらの夏祭り回やってて少し驚きましたが、まあスマイルプリキュアのときの夏祭り回よりははるかに良い内容だったので、許す。これだから米村脚本は油断できない。

友達つくると気持ちが弱くなるというかプリキュア業がおろそかになりそう、だから友達つくらない、みたいな、そんなチョット冷めた亜久里ちゃんだったのですが今回、亜久里ちゃんはクラスメイトのエルちゃんからおもいがけず彼女のけなげな思いを聞かされてしまい、心が動かされ、心に愛が満たされ、心を開くようになった。いままでさんざん偉そうに、愛が大事、愛が大事と利いた風な口をきいていたキュアエースだったのに、こと自分自身のこととなるとキュアエースこと円亜久里はごくごく身近な自分への小さくても優しい愛に気づかなかった気づけなかった気づいてあげられなかったというのだ。そんな自身のふがいなさを反省し、すこし成長できた亜久里ちゃんがいい感じでした。もちろん相田さんたちのお膳立てがあったわけですが、それもふくめてキュアエースは周囲の人たちの愛を受け取ったのでしょうね。

神社の、ひとめにつかないところで、エルちゃんと亜久里ちゃんがふたりきりで会話する場面がすごくよかった。亜久里ちゃんがキュアエースの秘密をうちあけてエルちゃんと共有するのではなくて、あくまでプリキュアの秘密は守ろうとするのだけれど、それはエルちゃんを信用していないのではなくて、むしろエルちゃんに余計な情報をあたえてしまって危険にまきこむのをさけたかったという亜久里ちゃんの優しさなのかと。とにかく亜久里ちゃんはエルちゃんに、秘密は打ち明けられないけど私を信じてくれと。それに対してエルちゃんは、亜久里ちゃんは信じるにたる人物だからと、亜久里ちゃんを信じると言ってくれた。それならばと、亜久里ちゃんはエルちゃんに目をつぶって待っててくれとお願いする。エルちゃんは素直に亜久里ちゃんのお願いを受けとめる。エルちゃんは亜久里ちゃんが裏切ったりしないで、かならず帰ってくると信じていて。亜久里ちゃんはそんなエルちゃんのために、かならず帰ってくる、かならず帰ってきたいと願いつつ戦地におもむくのでした。なんか、ここのあたりの両者の信頼関係がすごく良かったな。

戦いが終わり、エルちゃんのもとに戻ってきた亜久里ちゃん。エルちゃんは、ただ目をつぶって待っていただけではなく、亜久里ちゃんの無事を祈っていたようで、亜久里ちゃんの無事を確認すると涙を浮かべながら亜久里ちゃんに寄り添うのでした。亜久里ちゃんはエルちゃんの肩に手を添え、エルちゃんの気持ちに応えた。そのとき亜久里ちゃんは、胸がキュンキュンする、と。それはきっと、エルちゃんを守りたいという他者愛と、無事に帰ってきてエルちゃんを安心させたいエルちゃんの安堵した顔を見たいという自己愛と、その両方が満たされたせいだとおもう。

夏祭りをしめくくる夜空の花火が、エルちゃんと亜久里ちゃんの絆を祝福してくれているようで、心地良い余韻をあたえてくれていました。最後、つないだ手をギュッとにぎりしめる描写からも、それは伝わってきました。