単純所持が禁止されているといえば、覚せい剤や拳銃がおもいうかびます。なぜ禁止されているのか。おそらくキチンと管理したうえで道楽として所持しているだけなら問題ないけど、所持していると使ってみたくなるのが人情だからかと。

よく知りませんが、覚せい剤の使用は、その使用者に幻覚や幻聴をひきおこし、ときとして周囲の人たちに危害がおよぶ可能性があるそうなので、禁止されているとか。拳銃には殺傷能力があり、やはり周囲の人たちの身体に危険がおよぶ場合もあるので禁止されているようですね。では同様に殺傷能力がある包丁の所持は、なぜ認められているのか。それは生活に必要だからでしょう。包丁がなければ、ほとんどの料理がまともには作れません。なので、包丁が殺人等に悪用される危険性はあるけれども、実用性のメリットの大きさを優先して、包丁の単純所持は認められているのだとおもいます。

以上をふまえて、私はタバコの単純所持禁止を提案したいです。タバコの煙は周囲の人たちの健康にも悪影響をおよぼします。いわゆる受動喫煙です。分煙がすすんでいるとはいえ、まだまだ不十分です。たとえば、お父さんが吸っていても家では子供は立場が弱いですからなかなか文句を言えない場合だってあるでしょう。タバコの煙から子供を守り、子供を健全に育成したいと思いませんか。また、知識や判断能力が十分でない子供が、大人の喫煙を見て、いたずらに興味、関心をあおられ、誤った認識をしてしまうおそれがあります。大人がうまそうにタバコを吸っていると、その様子を子供が見たとき「タバコはうまいものなのだ」「自分もタバコを吸ってみたい」と考えてしまう可能性があります。そういった子供への悪影響の可能性が否定できない以上は規制の話が出るのは当然だ、というのが児童ポルノ禁止法改正案に賛成している人たちならば、タバコが青少年の健全育成を阻害しているであろう点に注目して、タバコの規制強化に、すなわち単純所持禁止にのりだすべきでしょう。

タバコは生活必需品ではありません。ただの嗜好品のひとつです。タバコがなくても人間は生きていけます。タバコがないと生きていけないと思ってしまうのなら、それは中毒症状ですから、カウンセリングを受けて治療をしたほうがよいのかもしれません。いっぽうで性欲とは、タバコを吸いたいという欲求とは違って、人間の、生物としての、根源的な欲求なのです。ですから、性欲に関する議論はより慎重である必要があるのだとおもいます。