メルヘンランドは、すべての物語を管理しています。女王様がメルヘンランドを統治しています。メルヘンランドの住人は物語の登場人物たちです。物語の登場人物たちは、自身が登場する物語の中で、あたえられた役割を演じることだけに専念しています。女王の威厳がそうさせているのです。
メルヘンランド女王の仕事は激務です。いつも緊張していました。メルヘンの国を統治するには、つねに目配りが大切なのです。すべての物語がとどこおりなく進行しているかどうか、いつも気にかけていなくてはなりません。これは大変な精神力が必要なのです。精神的疲労が蓄積した女王は、いつしかナマケたくなりました。
女王様がナマケてくると、住人たちもだんだんと気がゆるんでくるものです。上司がたるんでくると、その部下たちも緊張感を欠いてくるように。女王がキチンとしているあいだは、せっせと自分の役割を演じることだけに専念していた物語の登場人物たちも、しだいにみずからの意思をもちはじめ、自分の演じる役割に疑問を抱くようになり、そしてナマケるようになってきました。
バッドエンド王国。それはナマケるようになったメルヘンランドの住人たちが集まってできた国。バッドエンド王国の元首は皇帝ピエーロ様なのですが、そのピエーロ様とは何を隠そうメルヘンランド女王の怠惰な気持ちが具現化した存在なのでした。ホントをいえば今までも、ときどきバッドエンド王国は出現していたのですが、そのつど女王様がみずからを律することで自然消滅していました。そしてナマケていた住人たちも、もとの従順さをとりもどし、メルヘンランドはまた平和になるのでした。
しかし今回にかぎっては、そうならなかった。なぜか。それはジョーカーさんがいるからなのです。ジョーカーさんは一部のメルヘンランド住人を強制的にナマケさせ、たきつけ、そしてバッドエンド王国を組織させ、ピエーロ様を復活させようとする。そうなるとメルヘンランド女王の精神力だけではバッドエンド王国はおさえきれません。そこでプリキュアのチカラを活用することにしたのです。
いったいジョーカーさんは何者で、何をしたいのでしょうか。ジョーカーさんはメルヘンランドに、とつじょとして誕生した、どの物語にも登場しないという、そんな存在です。また、ジョーカーさんは世界征服をたくらんでいるのです。ひとびとをナマケ玉のなかに閉じ込めて、いい気分にさせて、堕落させる。でも、ずっといい気分ではいさせない。ちょうどいいころあいをみはからって、強制的にナマケ玉の中から出してしまう。ナマケ玉から追い出された人は、厳しい現実に困惑して、しまいにはオカシクなってしまいそうになる。そのときジョーカーさんは「ナマケ玉のなかに帰りたいのなら、わたしのいうことを聞け」と、ささやきかけるのです。そうですね、麻薬みたいなものですから、ナマケ玉は。こうしてナマケ玉という麻薬漬けにされた人々は、ジョーカーさんのいうがままに。世界はジョーカーさんのものになるという、もくろみ。
ミラクルジュエル。それはなんでも1つだけ願いをかなえてくれるという伝説の魔法の宝石。世の中が乱れた時にあらわれるという奇跡の宝石。心清き者がもちいれば世を平和へとみちびき、悪しき心の者がもちいれば破滅へと導くという。ミラクルジュエルは、ただの石ではなく、みずからの意思をもった石なのです。
ジョーカーさんはミラクルジュエルの本当のチカラをまだ知らない。おそらくジョーカーさんがミラクルジュエルを手に入れ、それを使ってプリキュアたちを倒そうとすれば、そのときミラクルジュエルは自らの意思が発動して世界を滅ぼすでしょう。ジョーカーさんだけを滅ぼすのではありません、全世界を滅ぼすのです。それを知っているメルヘンランド女王は、どうあってもミラクルジュエルをジョーカーさんにわたしてはダメだとおもっているのです。
では、プリキュアたちがミラクルジュエルを手に入れ、そのチカラを使ってジョーカーさんたちバッドエンド王国を壊滅させようとしたら、どうなるのでしょうか。はたして平和がおとずれるのか、それとも世界の破滅がまっているのか。そこはプリキュアたちの心が清く美しいモノとなっているかが問われるのです。判断するのは、ほかでもない、ミラクルジュエルその宝石の意思なのです。
プリキュアたちには成長が求められている。どんな困難にも負けないぞという強い意思。ときに自身の死をもかえりみず信念を貫き通そうとする覚悟。我欲を捨て全体の利益を求める正義感。などなど。プリキュアたちがトコトン成長したとき、ミラクルジュエルはメルヘンランドの味方をしてくれるでしょう。
最終回、最後の試練が待っている。ミラクルジュエルはキャンディの心臓であることが明かされる。ミラクルジュエルを使わなければバッドエンド王国に勝てない、という状況になってしまった。さて、どうするか。ミラクルジュエルを使うにはキャンディを殺さなければならない。でもキャンディはプリキュアたちのかけがえのない友達なのだ。迷うのは当然です。最終的にはキュアハッピーがキャンディを手に掛けるのですが、それも壮絶なやりとりがあったあとにです。ミラクルジュエルはキュアハッピーの願いにこたえてバッドエンド王国を、ジョーカーさんを倒す。メルヘンランドに平和がおとずれる。
キュアハッピーはキャンディの死を悲しむのですが、いつまでも悲しんではいられない。泣いてばかりいたら、天国のキャンディはよろこばないだろうと。キャンディの死を忘れない、けれども、ひきずらない。キャンディは心のなかで生き続けているから、とキュアハッピーは顔を上げ、涙をぬぐう。そして笑顔。キャンディのぶんまで、一所懸命、生きていきたい。そう願うキュアハッピーの笑顔はキラキラ輝いていた。空を見上げて、遠い天国のキャンディをおもって、笑顔、笑顔。スマイル、スマイル。そうよ、だってアタシは、スマイルプリキュアだもの。
メルヘンランド女王の仕事は激務です。いつも緊張していました。メルヘンの国を統治するには、つねに目配りが大切なのです。すべての物語がとどこおりなく進行しているかどうか、いつも気にかけていなくてはなりません。これは大変な精神力が必要なのです。精神的疲労が蓄積した女王は、いつしかナマケたくなりました。
女王様がナマケてくると、住人たちもだんだんと気がゆるんでくるものです。上司がたるんでくると、その部下たちも緊張感を欠いてくるように。女王がキチンとしているあいだは、せっせと自分の役割を演じることだけに専念していた物語の登場人物たちも、しだいにみずからの意思をもちはじめ、自分の演じる役割に疑問を抱くようになり、そしてナマケるようになってきました。
バッドエンド王国。それはナマケるようになったメルヘンランドの住人たちが集まってできた国。バッドエンド王国の元首は皇帝ピエーロ様なのですが、そのピエーロ様とは何を隠そうメルヘンランド女王の怠惰な気持ちが具現化した存在なのでした。ホントをいえば今までも、ときどきバッドエンド王国は出現していたのですが、そのつど女王様がみずからを律することで自然消滅していました。そしてナマケていた住人たちも、もとの従順さをとりもどし、メルヘンランドはまた平和になるのでした。
しかし今回にかぎっては、そうならなかった。なぜか。それはジョーカーさんがいるからなのです。ジョーカーさんは一部のメルヘンランド住人を強制的にナマケさせ、たきつけ、そしてバッドエンド王国を組織させ、ピエーロ様を復活させようとする。そうなるとメルヘンランド女王の精神力だけではバッドエンド王国はおさえきれません。そこでプリキュアのチカラを活用することにしたのです。
いったいジョーカーさんは何者で、何をしたいのでしょうか。ジョーカーさんはメルヘンランドに、とつじょとして誕生した、どの物語にも登場しないという、そんな存在です。また、ジョーカーさんは世界征服をたくらんでいるのです。ひとびとをナマケ玉のなかに閉じ込めて、いい気分にさせて、堕落させる。でも、ずっといい気分ではいさせない。ちょうどいいころあいをみはからって、強制的にナマケ玉の中から出してしまう。ナマケ玉から追い出された人は、厳しい現実に困惑して、しまいにはオカシクなってしまいそうになる。そのときジョーカーさんは「ナマケ玉のなかに帰りたいのなら、わたしのいうことを聞け」と、ささやきかけるのです。そうですね、麻薬みたいなものですから、ナマケ玉は。こうしてナマケ玉という麻薬漬けにされた人々は、ジョーカーさんのいうがままに。世界はジョーカーさんのものになるという、もくろみ。
ミラクルジュエル。それはなんでも1つだけ願いをかなえてくれるという伝説の魔法の宝石。世の中が乱れた時にあらわれるという奇跡の宝石。心清き者がもちいれば世を平和へとみちびき、悪しき心の者がもちいれば破滅へと導くという。ミラクルジュエルは、ただの石ではなく、みずからの意思をもった石なのです。
ジョーカーさんはミラクルジュエルの本当のチカラをまだ知らない。おそらくジョーカーさんがミラクルジュエルを手に入れ、それを使ってプリキュアたちを倒そうとすれば、そのときミラクルジュエルは自らの意思が発動して世界を滅ぼすでしょう。ジョーカーさんだけを滅ぼすのではありません、全世界を滅ぼすのです。それを知っているメルヘンランド女王は、どうあってもミラクルジュエルをジョーカーさんにわたしてはダメだとおもっているのです。
では、プリキュアたちがミラクルジュエルを手に入れ、そのチカラを使ってジョーカーさんたちバッドエンド王国を壊滅させようとしたら、どうなるのでしょうか。はたして平和がおとずれるのか、それとも世界の破滅がまっているのか。そこはプリキュアたちの心が清く美しいモノとなっているかが問われるのです。判断するのは、ほかでもない、ミラクルジュエルその宝石の意思なのです。
プリキュアたちには成長が求められている。どんな困難にも負けないぞという強い意思。ときに自身の死をもかえりみず信念を貫き通そうとする覚悟。我欲を捨て全体の利益を求める正義感。などなど。プリキュアたちがトコトン成長したとき、ミラクルジュエルはメルヘンランドの味方をしてくれるでしょう。
最終回、最後の試練が待っている。ミラクルジュエルはキャンディの心臓であることが明かされる。ミラクルジュエルを使わなければバッドエンド王国に勝てない、という状況になってしまった。さて、どうするか。ミラクルジュエルを使うにはキャンディを殺さなければならない。でもキャンディはプリキュアたちのかけがえのない友達なのだ。迷うのは当然です。最終的にはキュアハッピーがキャンディを手に掛けるのですが、それも壮絶なやりとりがあったあとにです。ミラクルジュエルはキュアハッピーの願いにこたえてバッドエンド王国を、ジョーカーさんを倒す。メルヘンランドに平和がおとずれる。
キュアハッピーはキャンディの死を悲しむのですが、いつまでも悲しんではいられない。泣いてばかりいたら、天国のキャンディはよろこばないだろうと。キャンディの死を忘れない、けれども、ひきずらない。キャンディは心のなかで生き続けているから、とキュアハッピーは顔を上げ、涙をぬぐう。そして笑顔。キャンディのぶんまで、一所懸命、生きていきたい。そう願うキュアハッピーの笑顔はキラキラ輝いていた。空を見上げて、遠い天国のキャンディをおもって、笑顔、笑顔。スマイル、スマイル。そうよ、だってアタシは、スマイルプリキュアだもの。